『「論文はねつ造」と研究協力者=ソウル大ES細胞で疑惑拡大−韓国』(時事通信)

【ソウル15日時事】世界で初めてヒトクローン胚(はい)から胚性幹細胞(ES細胞)を作ったソウル大の黄禹錫教授に研究協力している病院関係者は15日、韓国メディアに対し、今年5月に米科学誌サイエンスに発表した論文で作ったとする細胞の大多数がねつ造されていたとの見方を示した。この関係者によると、教授は論文を撤回することに同意したという。

12/9にも書いた、黄禹錫(ファンウソック)教授のヒトクローン胚性幹細胞(ES細胞)についての疑惑の続報です。
疑惑は、倫理問題から、データの捏造へと移り、最終的にはES細胞の存在自体もウソなのでは?というところにまで及んでしまっています。
さらには、黄禹錫教授の関係したその他の研究にも、疑惑が持ち上がっているようです。
そして、上の記事にも登場する「研究協力している病院関係者」もそうですが、一斉に責任逃れに走る関係者も出ています。
黄禹錫教授の研究成果が賞賛されている間は、黄禹錫教授に擦り寄り、疑惑がまだ疑惑に過ぎない時点では、徹底的に黄禹錫教授擁護に回り、疑惑解明をあらゆる手段で妨害し、そして、最終的に、捏造の事実が紛れもないと見るや、黄禹錫教授ひとりに責任を被せ、逃亡を図る。そんな人間は、もっとも許せないと思います。

《16:10追記》
『盧聖一理事長「黄禹錫教授、堂々と嘘をついている」』(朝鮮日報)2005年12月16日16時02分

盧聖一(ノ・ソンイル)ミズメディ病院理事長は16日、黄禹錫(ファン・ウソク)教授の記者会見が終った直後に記者会見を行い、「黄教授は科学者として指導者としての資格がない」と話した。
 盧理事長は「(黄教授が)検察の捜査を要請するまで様子をみながら、1点の疑いもなくすべてのことを明らかにする」という言葉で記者会見を始めた。
 ヒト胚性幹細胞(ES細胞)がミズメディ病院で「入れ替わった」という黄教授の主張と関連、盧理事長は「黄教授は自分の責任を避けるため、共に研究をしてきた研究員がミズメディ病院所属という理由で罵倒している」とし、「(黄教授は)科学者として指導者としての資格がない」と話した。
 また、「黄教授のES細胞はひとつも発見されておらず、米国にいる研究員を脅迫した」と主張した。
 さらに「(黄教授が)米国のK研究員に対し、27日まで帰国し、カビのはえES細胞を助けて欲しい。それができれば、ソウル大学の教授職とES細胞チーム長の肩書きを渡すこともできるとし、拒絶すれば検察に捜査を依頼するほかないと話した」とした。
 盧理事長は記者会見の間中、「黄教授のサイエンスに掲載した論文は捏造であり、ES細胞はひとつも残っていない」という前日の主張を繰り返した。また、「今日、黄教授があまりにも堂々と記者会見に臨むのを見て驚愕を禁じ得なかった」とした。

記者会見では、涙も流していた盧聖一ミズメディ病院理事長。
しかし、その盧聖一ミズメディ病院理事長には、以下のような記事もあります。

『在日韓国人女性ら、不妊治療失敗でミズメディ院長を提訴』(朝鮮日報)2005/11/30

妊娠できるようになると騙され卵巣を取られたとし、在日韓国人ハン某(女/51)さんらがミズメディ病院盧聖一(ノ・ソンイル)理事長を相手取り5億ウォンの訴訟を起こした。
 ハンさんらは29日、ソウル中央地裁に提出した訴状で、「40歳過ぎるまで妊娠できずに悩んでいたところ、1998年に日本で盧理事長がテレビに出ているのを見た」とし、「当時、盧理事長は卵巣を切除し、精子を結合させる方法で妊娠できると説明し、卵巣切除手術を勧めた」と主張した。また、「卵巣を除去し、精子を冷凍保管するなど盧理事長の言う通り全て行ったが、結局妊娠することもなく、これらの施術が不法であるという話を聞いた」と話した。
 ハンさんらは「日本から来るのにかかった飛行機代と宿泊費用、女の命とも言うべき卵巣を切除するという屈辱を受けるなど、精神的、肉体的に多大な苦痛を受けた」と主張した。
 これに対し、盧理事長は「最近、胚性幹細胞(ES細胞)研究で、卵子提供などに対する倫理的問題が提起され、私からカネを搾り取ろうという、とんでもない訴訟」と話した盧理事長はまた「当時の医療技術では不可能で、閉経期前の卵巣を取り出して保管すれば、医療技術の発達で妊娠が可能になることもありえるとハンさんに話したところ、ハンさんが手術を望んだ」と反論した

『盧聖一』で検索すれば、関連ニュースがかなり出てきます。
卵子売買も含め、疑惑の中心にかなり近い人のような気がします。