無防備であると宣言すれば・・・

うちは少し前からセコムのホームセキュリティーに入っています。
住んでいる場所は田舎なのですが、時々窃盗や性犯罪などの事件が起こっているので、私以外女ばかりの家庭なので、用心してというところです。
私の子供の頃は、少しぐらいの外出なら鍵を掛けずに出掛けていましたし、私自身も暗くなるまでひとりで外で遊んでいたものです。
それが今では、外出の際には必ずホームセキュリティーを作動させ、子供を外で遊ばせる時には必ず大人が付いているようにしています。
本当はそんなことはしたくはないのですが、家族の安全と僅かばかりの財産を守る責任がある家長としては、煩わしくても何かと気配りをしないといけないと思うのです。
ところで、今、全国各地で「無防備地域宣言運動」というのが進められているようです。
無防備地域宣言運動全国ネットワークのブログ
私が住む奈良県でも、奈良市において「市民の会」と名乗る人たちが活動されているようです。
さらに、「無防備マンが行く」というマンガも、ネット上で話題になっています。
この「無防備地域宣言」とか「無防備都市条例の制定」などの運動は、軍備によってではなく、無防備であること(戦う意思がないことを示すこと?)によって、地域の平和を創っていこうという運動で、「無防備地域宣言」を行うことで、国際法によってその地域への攻撃が一切禁止されるというもののようです。
まさに「夢のようなお話」というか、本当にそのようなことが可能なのであれば、私も諸手を上げえて賛成したいところなのですが・・・。
現実的には、他国民を拉致しておいて開き直る北朝鮮や、日本の領事館が投石などの破壊行為に遭っても日本の責任であるかのように強弁する中国や、竹島を一方的に武力制圧しておいて国際裁判所での解決を拒否する韓国など、国際法を必ず尊重遵守するとは言いがたい国々に囲まれている日本が、自分が国際法を遵守するからといって、他者も必ずそうするであろうと考えるのは、少し人が良すぎると思います。
さらに、無防備地域宣言運動全国ネットワークのブログでは、世界にある27カ国の軍隊を持たない国を挙げ、「憲法九条を世界に「輸出」したかったが、今や「輸出」などと言える状況ではない。憲法九条を守り実現することが世界の反戦平和運動への貢献であるが、同時に無防備地域運動を世界に「輸出」することも考えたい。 非暴力・非武装・無防備の思想と運動を世界から日本へ、そして日本から再び世界へ!」と主張しています。
私も、日本国憲法の平和主義の理想は素晴らしいものだと思います。
しかし、日本を取り巻く世界情勢は、それを許さない状況にあるとも思うのです。
実際、軍隊を持たないとされる27カ国も、大部分が人口百万人以下の小国ですし、上のブログでも人口百万人以上で積極的に平和主義を掲げて軍隊を廃止した国はコスタリカ(人口3.8百万人)だけであると書かれています。(参照
私は、無防備を唱えるのであれば、地域ごとに無防備化して行くのではなく、全世界同時に無防備化を図るべきであると考えます。
私は、全世界の非核化、非暴力・非武装・無防備に賛成ですが、国際法を軽視し、民主主義に背を向ける独裁的な軍事国家を放置したままでの日本の無防備化には断固反対します。

(ご参考:無防備地域宣言運動への反論