日朝国交正常化の前提

昨日、約1年ぶりに日朝対話が再開されましたが、そのタイミングを狙い済ましたかのように、北朝鮮に亡命していたとされる元オウム信者の女性が帰国しました。
『<北朝鮮入国女性>仕事せず散歩や買い物… 帰国会見』(毎日新聞)
以下引用

中国経由で2年前に北朝鮮へ亡命したとされる北川和美さん(31)が3日、ロシア・ウラジオストク発新潟着の航空機で帰国した。新潟市内で記者会見した北川さんは「日本が恋しくて帰りたくなった」と話した。
 北川さんは03年8月24日、中国・丹東市を旅行中に中朝国境の鴨緑江を泳いで渡り、北朝鮮に亡命申請した。理由については「いろいろと事情があり、日本を離れたいと思った」と話した。(後略)
引用終わり
亡命理由については、法務省管轄の公安調査庁の捜査に絡んだ事情が取りざたされているようです。( 詳しくはこちら
日朝対話再開に合わせて亡命女性を送り返してくる北朝鮮の狙いは、日本との交渉を有利に運ぶというところにあるのでしょう。
北朝鮮は、国連でも北朝鮮非難決議が総会に提出されるなど国際的な包囲網ができつつあり、日本国内でも朝鮮総連の関連施設が薬事法違反容疑で家宅捜索を受けるなど、日本側の断固とした態度も見られるようになってきました。
そういう状況の中での日朝協議再開ですから、北朝鮮としてもこの協議を何らかの突破口にしたいという思いはあると思います。
『日朝対話再開 北、国際包囲網を警戒』(産経新聞)
以下引用
拉致問題、協議継続の意向≫
 【北京=笠原健】日本と北朝鮮による政府間対話が3日、北京市内のホテルで約1年ぶりに再開された。日本側は拉致事件が解決しない限り、国交正常化には応じられないとの考えを示す一方、拉致被害者横田めぐみさんの「偽遺骨」に関するDNA鑑定結果について説明した。
(中略)
北朝鮮代表の宋日昊外務省アジア局副局長は夕食会終了後、記者団に対して「『過去の清算』や拉致問題などを協議した」と述べた。協議は4日も行われる。
(後略)
引用終わり
拉致問題の解決はもちろんなのですが、北朝鮮の核と人権抑圧の問題も解決されないかぎり、日本は北朝鮮と国交回復する必要はないと私は思います。
さらに、北朝鮮が主張する『過去の清算』についても、日本は韓国との間で、韓国を朝鮮半島を代表する国家として日韓基本条約を結び、個人補償も含め戦後処理は、完全かつ最終的に解決されているという事実を踏まえたうえで進めるべきだと考えます。
拉致問題を少しばかり進展させただけで幕引きとしてしまい、後は国交回復とそれに伴う賠償金代わりの膨大な経済支援をさせられるのだけは、絶対にやめてもらいたいと思います。