韓国はどこへ行くのか?

小泉総理の靖国神社参拝を受けて、一旦訪日延期の意向を示していた韓国の潘基文(パン・キムン)外交通商部長官は、結局当初の予定通り来日した訳ですが、町村外相との会談では靖国問題に関連し、日本の新たな国立戦没者追悼施設の関連予算を計上するよう要求しました。
さらに、小泉総理との会談では、「最近、首相の靖国参拝で両国がまた不通局面を迎えたのは非常に遺憾であり、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領もこれを重く受け止めている」とし、「小泉首相が近隣国家の国民の信頼と尊敬を受けられるよう努力することを要望する」と述べました。

他国の国の予算にまで口をはさんだり、他国の戦死者の追悼慰霊の方法を指示したり、さらに他国のリーダーに対して「近隣国家の国民の信頼と尊敬を受けられるよう努力せよ」と言ってみたり、これはこれでかなり問題だとは思うのですが、それ以上に韓国の現状は気になることが山盛りです。

まず、米国との関係では、米ワシントンの知識人層から「恩を忘れる者(ingrate)ほど悪いものはない。今週の『恩知らず大賞』は、韓国が獲得した」や、「韓国は、米国に寄りかかる社会保障の女王(welfare queen)」という発言が出たり、ヒラリー・クリントン上院議員の「韓国人の歴史的忘却(historical amnesia)」発言を含め、わずか十日足らずの間に、韓国人の否定的な対米認識に対する批判が、次々に飛び出しています。
以前から米国の共和党議員の中には反韓感情が見られたようですが、それが民主党中心部にまで広がる兆しが見えているようです。

さらに韓国国内でも、与党内から、「盧大統領は一方的に連立政権を提案したり、国民に手紙を書いてみたり、議員を大統領府に集めて講演したりしているが、(これは)ごう慢だというほか無い」や、「大統領府と政府は軽率な発言で国民の信頼をなくした」、さらに、、「大統領の支持度が20%台というのは、政府に対する不信任であり、(12月に)通常国会が終われば、内閣は総辞職しなければならない」という意見まで出ています。
これらの意見は、26日に行われた韓国国会議員の補欠選挙で与党候補が全敗したことを受けたもので、選挙戦全敗の責任を取って与党執行部は総辞職しています。

これまでも、盧武鉉ノ・ムヒョン)政権に対する批判はありましたが、これほどまでに国の内外から批判が高まったのは初めてではないでしょうか。
そんな中での、潘基文(パン・キムン)外交通商部長官の日本政府に対する数々の注文に対して、日本はどのような対応をするべきでしょうか。
盧武鉉ノ・ムヒョン)政権がレイムダック状態であると見るならば、日本に対する内政干渉のような発言であっても、受け流すのもひとつの手かな?と思います。
毅然とした態度で日本の立場を主張するというのも必要かとは思いますが、政権運営に行き詰っていつ何時交代するか分からない相手と真剣な交渉をするのはどうかと思いますし、「小泉首相は近隣国家の国民の信頼と尊敬を受けられるよう努力せよ!」と言っている国の大統領が、自国民や同盟国から信頼も尊敬もされていないというのは、もはや笑い話のような気さえします。

韓国は、韓流ブームがなくても、日本とは結びつきのとても強い隣国ですから、これからも協力関係を維持していく必要があるでしょうし、その行く末は日本にも大きな影響をもたらすでしょうから、今の韓国の迷走は、とても気がかりであり、心配です。