今年も核軍縮決議案が可決されました

『日本の核軍縮決議案、国連委が採択・支持国は過去最多』(日本経済新聞)
以下引用

【ニューヨーク=中前博之】軍縮問題を担当する国連総会第1委員会は26日、日本が提出していた核軍縮決議案を賛成166、反対2、棄権7で採択した。核兵器の全面廃絶を目指す決議案は1994年以降、日本が毎年提出、採択されてきたが、今回は過去最多の支持票を得た。12月の総会で正式に採択される見通し。
 被爆60年の節目にあたる今年の決議案は、5月の核拡散防止条約(NPT)検討会議で具体的な成果を出せなかったことに「遺憾の意」を明記。核廃絶の取り組みに「不可逆性、検証可能性、透明性」を持たせるべきだと強調した。
 決議に反対したのは昨年と同様に米国とインド。中国、北朝鮮キューバイスラエルパキスタンブータンミャンマーは棄権した。昨年は棄権したブラジル、南アフリカなど7カ国の新アジェンダ連合(NAC)は「核軍縮へ一歩踏み込んだ」(軍縮外交筋)として賛成に転じた。
引用終わり

日本は被爆国として地道な活動をしていますね。
賛成に回る国も少しずつ増えてきているようですが、米国とインドが反対、中国、北朝鮮キューバイスラエルパキスタンブータンミャンマーは棄権と、道はまだまだ険しそうです。
ブータンが棄権している理由は知りませんが、もしかしたら核保有を目指しているのでしょうか?
今回はイランも賛成しているようです。

それから、今回採択された決議案の中身は以下のようなものです。

「核軍縮決議要旨」(中国新聞)
以下引用

【ニューヨーク26日共同】国連総会第一委員会(軍縮)で26日採択された日本の核軍縮決議の要旨は次の通り。
 一、広島、長崎の被爆60年の機会に、すべての国が核兵器の全面的廃絶に向け、さらなる実効的措置を取る決意を新たにする。
 一、核拡散防止条約(NPT)は国際的な核軍縮・不拡散体制の礎として決定的に重要。
 一、5月のNPT再検討会議で合意が達成されなかったことや、9月の国連総会特別首脳会合の「成果文書」で核軍縮・不拡散に関する言及が削除されたことに遺憾の意を表明
 一、全種類の核兵器の一層の削減を促す。核兵器廃絶の過程では不可逆性、検証可能性、透明性が重要。
 一、米国、ロシアが戦略攻撃兵器削減条約(モスクワ条約)を超える核兵器削減に着手するよう促す。
 一、包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期発効のため、署名・批准を要請。核実験の停止継続が重要。
 一、兵器用核分裂物質生産禁止(カットオフ)条約交渉の即時開始と早期妥結が重要。
 一、国際原子力機関IAEA)追加議定書の普遍化の重要性を再確認。
引用終わり

決議自体に何ら拘束力はないのですが、毎年決議し続けることと共に、賛成国が増加してくることで、反対や棄権に回っている国にプレッシャーとなるでしょうし、国際社会で軍縮をリードして行くことは、被爆国であり平和憲法を持つ国である日本の使命でもあると、私は思います。
IAEAノーベル平和賞を受賞したように、いつか日本の地道な取り組みに陽が当たる時が来るかもしれませんし、それ以上に、核軍縮が進み、地球上から核兵器が無くなる日が来てくれたらと願っています。