小泉総理靖国神社参拝

小泉総理が本日午前10時過ぎ靖国神社に参拝しました。
背広姿で本殿に昇殿もせず、ポケットからお賽銭を取り出し、拍手も打たないスタイルは、私的参拝であるとのことと、宗教色を薄めることに配慮したからでしょう。
まあ、そんな関係で、各マスコミは「中国と韓国の反発が懸念されます!」という論調になっています。

『断固抗議で「反日」抑制狙う=靖国参拝、最悪のタイミング−中国』
以下引用

【北京17日時事】中国政府は17日、小泉純一郎首相による靖国神社参拝を受けて強く抗議する方針だ。胡錦濤指導部が最も懸念するのは、4月に中国各地に拡大した「反日デモ」が再発し、社会の安定が損なわれる事態。中国の対日関係者によると、党・政府自らが日本への断固たる対応を取ることを通じて、民衆レベルの反日感情を抑制したい考えだ。
 中国政府は先の衆院選小泉首相が圧勝したのを受け、「小泉首相は自らへの支持を背景に、勢いに乗って靖国参拝に踏み切る」(対日関係者)と予想してきた。しかし「参拝するにしても、衆院選から時間が経過した年末にしてほしい」(同)との期待が強かった。
 17日は中国の有人宇宙船「神舟6号」が帰還した当日。中国国内が歓喜で沸き返る中での「最悪のタイミング」(日中関係筋)と言える。(時事通信
引用終わり
中韓(ついでに北朝鮮も)が反発するのは明らかですが、中韓両国にとってこのタイミングでの小泉総理の靖国参拝がもたらす影響は、微妙に違うだろうなと思います。
韓国は、ノムヒョン大統領の出鱈目な内政政策と親北反日米色の際立つ外交政策で、政権運営に批判が強まっているタイミングだったので、小泉総理の靖国参拝をきっかけに反日批判を強めることで、国民の反日感情を利用した支持率アップが見込めるのではないでしょうか。
一方、中国ですが、中国国内では貧富の格差や官僚の汚職、環境破壊と土地収用を巡るトラブルなどで、民衆の抗議行動が多発しています。
政府に対する不満を対日批判に向かわせようとしても、この春の反日暴動のように政府のコントロールを外れて暴走してしまう危険性があります。
そして、その暴走が民主化運動の方へ行ってしまう危険が常に伴うことで、靖国問題中共政府にとって頭の痛い困った問題なのでしょう。
元はと言えば、江沢民前総書記が力を入れた反日教育が実を結んで、靖国問題を含めた対日関係では、日本に対する強硬姿勢は支持される地盤が出来上がっていますが、逆に弱腰な姿勢を見せられない状況を自ら招いてしまっています。
ですから、小泉総理の靖国参拝に対しては、表向きは強硬姿勢をとらざるを得ないでしょうが、他民族敵視による「歪んだ愛国精神」を煽ることは、その結果として「暴発」を招く危険を伴うことで、中共政府も避けたいのではないでしょうか。
有人ロケット「神舟6号」で、中共政府が国威発揚をせっせと行い、「まっとうな愛国精神」を育んでいるところに、小泉総理が靖国カードを切ってしまったことは、中共政府にとってはまさに水を差されたようなもので、本当に最悪のタイミングだったのではないかと思ったりします。
いずれにしても、中韓ともに、いつまで政権維持に「反日」を使うかは知りませんが、他民族を敵視することでしか保てないような「愛国精神」は「歪んだ愛国精神」であるし、自ら自信をつけることによって得られる「まっとうな愛国精神」を育んで行くべきだと私は思います。