ソロモン王の知恵

現在開催中のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)は、2次リーグがそろそろ大詰めを迎えています。
日本は1勝1敗で、最終の韓国戦に準決勝進出を懸けて今日臨みます。
一方、対戦相手の韓国は現在2勝と、準決勝進出に関してはかなり優位にあるといえるでしょう。
日本、韓国の他2チームは、1勝1敗の米国と2敗のメキシコが明日対戦する予定になっており、この4チームの中から上位2チームが次の準決勝に進み、再び対戦することになります。

ということで、準決勝進出にもっとも近い韓国が、準決勝での対戦相手を、日本とするか?米国とするか?という贅沢な悩みを抱え、と〜ても困っているという朝鮮日報の記事です。

『【WBC】準決勝の相手を選べる韓国 金監督に求められる「ソロモンの知恵」(上)』(朝鮮日報)
『【WBC】米国と日本、準決勝はどっちがいい? 金監督に求められる「ソロモンの知恵」(下)』(朝鮮日報)
以下、朝鮮日報(元記事はスポーツ朝鮮)の記事を少しずつ引用させてもらいます。

昔、イスラエルにソロモンという賢明な王がいました。
 ある日、2人の女が赤ん坊を連れてきて、互いにその赤子を自分の子だと主張しました。これを聞いたソロモン王は「子どもを半分に裂いて平等に分けなさい」と命じました。
 そこで命令を受けた家臣がその赤子を半分に裂こうとすると、一方の女は同意したものの、もう一方の女は泣きながら自分の子どもではないから向こうの女にあげるよう言いました。
 これを見ていたソロモン王は、子どもをあきらめた母親を本当の母親と判断しました。本当の母親なら、自分の子どもが半分に裂かれるような状況を黙って見過ごすわけがないというのです。
このようなエピソードから、「ソロモンの知恵」という言葉が生まれました。今、WBCワールド・ベースボール・クラシック)に参加している代表チームの金仁植(キム・インシク)監督に、このようなソロモンの知恵が要求されているようです。

大岡裁き」にも似たような話がありましたよね。

何よりも、韓国が16日昼12時に行われる日本戦を通じ、準決勝の相手を選べるようになったということが、金仁植監督を悩ませているようです。
 韓国が日本戦で6失点以内で敗れれば、韓国と日本が準決勝に進みます。米国は脱落です。17日、メキシコとの最終戦を残した米国がメキシコに勝つと仮定すると、韓国と日本、米国は2勝1敗同士で並びます。
 しかし、同率チーム間の順位を決めるのは最小失点で、米国はすでに10失点しているため、現在3失点中の韓国が日本戦で負けても6失点以内で切り抜ければ、失点数で米国を下回り、ベスト4へとコマを進めることになります。
 反対に韓国が日本に勝てば3連勝となり、組トップでベスト4入りを果たすことになります。日本は1勝2敗で脱落し、米国はメキシコに勝てば組2位でベスト4入りが決定します。


韓国がわざと負けることによって、準決勝の相手を米国ではなく、日本とすることができるということですね。
しかし、準決勝の相手を米国とするためには、日本に勝つ必要があるはずで、その状況をもって「相手を選べるようになった」というのは・・・。
まぁ、朝鮮日報の書くことですから、大目に見ましょう。

金仁植監督は「日本戦で大敗すれば脱落もあり得るため、最善を尽くす」と必勝の覚悟を決めています。とにかく日本には勝つ、という構えのようです。
 しかし、監督としての彼も内心、準決勝の相手をめぐり、パチパチとソロバンをはじいていることでしょう。

金仁植監督の発言は、当たり前といえば当たり前のものですが、朝鮮日報にほ「パチパチ」というソロバンの音が聞こえているようです。(笑)

▲このような点から準決勝の相手として日本を選ぶためには、16日の日本戦で6失点以下で負けなければならないのです。
 しかし、日本とは一体どんな国ですか。歴史上、韓国と特殊な関係を結んできた国です。韓国は過去の侵略者である日本にだけは、どんなことがあってもすべての面で負けたがらないのです。
 代表チームの監督も韓国人である以上、そのような感情の延長線上にいることは言うまでもないでしょう。日本を準決勝の相手として選択したくても、過去の情緒上の問題から決して容易いことではないのです。
 また、米国を脱落させるため、中途半端な気持ちで日本戦に挑むようなことがあれば、国民が黙っていないのです。
 さあ、こうなった場合、韓国の司令塔はどのような選択をすべきでしょうか。ソロモンに相談したい位かもしれません。


準決勝で戦う相手としては日米どちらが組みしやすいか?ということと、日本に対する「過去の情緒上の問題」の間で、韓国の司令塔、金監督は「ソロモンに相談したい位」悩んでいるに違いないということですね。

それでは、不詳この私が、ソロモン王に代わってお答えしましょう。

「ズバリ!7失点以上で日本に負けなさい。
そうすれば、つまらない悩みからはただちに開放されるでしょう。」

まあ、それは冗談ですが、今回のWBCを巡っては、韓国チームがベスト4入りを果たしたら「兵役を免除する」なんて話も飛び出しています。
スポーツを巡って、特定の国とのライバル関係を煽るとか、駆け引きとして「わざと負ける」なんてことは「アリ」だと思うのですが、政治的に利用するようなことには、やはり抵抗感が残ります。

スポーツを国威発揚に利用することは、勝ち負けのみにこだわることに繋がるでしょうし、試合の後に互いの友情が芽生えることを阻害するようにも思います。

スポーツの国際試合を通じて、相互理解が促進され、友好的なムードが醸成されることが理想であると思いますし、そのような「知恵」を持つべきだと思います。

さあ、今日の日韓戦いを楽しみましょう!