『米、シリア大使呼び抗議 大使館放火で』(共同通信)

【ワシントン6日共同】マコーマック米国務省報道官は6日の記者会見で、ウェルチ国務次官補(中東担当)がシリアの駐米大使を呼び、イスラム教の預言者ムハンマドの風刺漫画掲載に抗議するデモ隊が同国のデンマークノルウェー両大使館に放火したことに強く抗議したことを明らかにした。
 報道官は「シリアはデモが自発的に行える国ではない」として、シリア政府がデモを支援し、大使館放火などの暴力行為も阻止しなかったと非難。シリア政府は大使館の安全確保に責任があり、両国に謝罪すべきだとの見解を示した。
 報道官によると、ライス国務長官デンマークノルウェー両国の外相に電話し、表現の自由を尊重する米政府の立場を確認、両国への支援を伝えた。

イスラム教の預言者の風刺漫画掲載問題については、ヨーロッパとイスラム諸国を中心に大変な騒ぎに発展していますが、上の記事によれば、そこに米国も参戦したようです。
ただ、「シリアはデモが自発的に行える国ではない」として、シリア政府がデモを支援し、大使館放火などの暴力行為も阻止しなかったと、米国が非難するのであれば、どうして、昨年春の中国での日本領事館への投石行為についても、中国に対する非難を行ってくれなかったのかなぁなんて、思ってしまいます。今更ですが。
中国だって、デモが自発的に行える国ではないし、中国政府は大使館や領事館の安全確保に責任があることに変わりはないはずです。
そのうえ、中国政府は未だに日本に何ら謝罪を行っていません。
ライス国務長官さま、今からでも日本への支援もぜひヨロシクお願いします。ペコリ。

ところで、米国紙の一部も風刺漫画を掲載したようですし、この問題はさらに広がりそうな感じですね。
言論の自由が保障されるのが民主主義国家の大前提なのですが、一方でイスラム教徒を深く傷つける恐れがあるようなものを、そのことが問題化した後に、さらに掲載するという行為は、まあ、乱暴に言えば、ケンカを売っているということなんでしょう。
この問題がどのように終息するかは分かりませんが、言論によって摩擦が生じ、その摩擦が国民生活や国際関係に深刻な問題を生じさせるのであれば、そのような発言は控えるような知恵が社会には必要でしょうし、そのような知恵がうまく働かない社会には、何らかのルールとしての法律で、言論の自由をある程度抑制する必要もあるのでしょう。
ただ、ケンカになっても、相手に自分の価値観を認めさせるというのであれば、どんどんやるべきでしょうし、米国はその気マンマンなんでしょうね。きっと。


《関連ニュース》『ムハンマド事件:中国外相「国際法守れ」「衝突避けよ」』(サーチナ)

中国の李肇星・外交部長(写真)は6日、ノルウェーオスロで、同国のストーレ外相と会談。ムハンマドの風刺画をめぐり、シリアにあるノルウェーデンマーク大使館が放火されたことを受けて、李・部長は、国際法に基づいて、外交使節団の安全を確保するように呼びかけた。


なかなか面白い冗談ですね。(苦笑)