『義人・故李秀賢氏の5周忌追慕式 東京で開催』(朝鮮日報)

2001年、東京市内のJR新大久保駅で線路に落ちた日本人を救うため命を落とした故李秀賢(イ・スヒョン)氏の5周忌の追慕式が26日、東京赤坂のプリンスホテルで行われた。
 追慕式の後には韓日合作映画『あなたを忘れない』の制作中間発表会も行われた。
 今回の追慕式には主に日本の関係者を中心に300人余が出席、李氏が死亡した当時の首相だった森喜朗韓日議員連盟日本側会長、羅鍾一(ナ・ジョンイル)駐日韓国大使、田中眞紀子前外相が弔花を送り、予算委員会のために出席できなかった麻生太郎外相の追慕の言葉が代読された。

2001年(平成13年)1月26日、JR東日本・山手線新大久保駅ホームで、酒に酔った男性が線路へ転落したのを助けようと、カメラマンの関根史郎さん(47)と、韓国人留学生・李秀賢さん(26)の2人が線路に下り、折り悪しくホームに入ってきた電車にはねられ、3人とも死亡しました。
当時も、死亡した2人の勇気ある行動に対して、日韓両国で大きな反響が起こりました。
特に外国人でありながら、他国の人の危難に際して、自分の身の危険を顧みない献身的で、勇気ある行動をした李秀賢さんに対しては、多くの日本人がその行動を賞賛するとともに、日本人が韓国人に対して親近感を持つきっかけになった事件であったのではないかとも思います。
しかし、その後のサッカー・ワールドカップ日韓共催あたりから、若い世代を中心に嫌韓感情が一部で芽生え、昨年の竹島問題以降の歴史認識問題などと、マスコミによって作られた韓流ブームに対する反発などから、一気に嫌韓ムードはネット上で広がっているように思います。
というか、それまであまり知らなかった韓国という隣国について、日本人の多くが感心の高まりや一部マスコミの作為によって、さまざまな情報を得られるようになって、その実像を知ったことが、韓流ブームというか嫌韓ブームのきっかけであるように思います。
今、嫌韓ブームの中で、日本と韓国がいかに違うかという、差異ばかりに注目して、互いに相手を蔑みあったり、優越感に浸ったりする風潮もあるように思います。
しかし、同じ人間として共有できる大切なものがあることを、上の記事は思い出させてくれると思います。
国境や人種、宗教や主義主張を超えた、人間同士の友情の大切さ、他者に対する思いやりを持つことの尊さを、再認識しました。
そして、同時に、韓国政府や韓国人の誤りを指摘する必要があるときには、厳しく指摘することが、真の友情に繋がっていくとも思います。
5年前に、異国の地でその若い命を散らした一人の青年を思うとき、その尊い死が両国の友情の礎となることを祈らずにはおられません。
日韓両国民が、お互いのことをよく知り、その違いを受け入れあって、良好な関係が築かれていくことを望みます。

そして最後に、この事故で亡くなられた3人の方のご冥福を、心よりお祈り申し上げます。