『中国で住民デモに警官発砲、8人死亡か 発電所に反対』(朝日新聞)

中国広東省東部の汕尾(シャンウェイ)市で6日夜、発電所の建設計画に抗議していた地元住民に、武装警察が催涙弾を発砲し、住民8人前後が死亡した、と香港各紙が報じた。事態を重くみた同省公安当局が、取り締まった武装警察や地元の市関係者らの本格的な調査に乗り出したとも報じられているが、対応次第では住民らの反発が一層強まる可能性がある。
 報道によると、発電所の建設予定地に集まっていた1000人以上の住民が、数百人の武装警察と衝突。警察が至近距離から催涙弾を撃ったという。実弾も発砲した可能性があるといい、一部の香港紙やテレビは「警察の銃撃で親族が殺された」とする住民の証言を紹介した。
 発電所の建設計画が地元住民の了解なしに決められたうえ、予定地近くで漁業をしていた住民らにほとんど補償費が支払われなかったため、住民らが半年前から予定地で抗議を続けていた。政府関係者が補償費を着服した疑いもあるという

中国おなじみの土地収用に絡む立ち退き問題での、武装警官と住民との衝突を朝日新聞が伝えています。
上記リンク先の電子版では、タイトルが「中国で住民デモに警官発砲、8人死亡か 発電所に反対」となっていますが、朝日新聞朝刊でのタイトルは「中国で住民デモに催涙弾発砲、8人死亡?」みたいな感じでした。(うろ覚えですが)
そして、同じ事件を伝える大紀元の記事。


『続報・汕尾市虐殺事件:射殺された農民70人以上、虐殺の隠ぺいを謀る当局』(大紀元)

大紀元日本12月9日】強制収用された山林や農地、養殖湖沼などの補償金が支払われていないと、広東省汕尾市紅海湾地区の村民らが本年5月から抗議し続けている件で、中国公安当局は12月6日に、3000人以上の武装警察を現地に派遣し、抗議する農民らを武力で制圧、多数の犠牲者がでた。9日現在、すでに70人以上が射殺されたことが調査で分かった。
 村民によると、6日中共公安当局は麻薬捜査と称し村に入り、戦車や機関銃などの武器を用いて抗議者らを制圧しはじめた。村民らは山に逃げ出したが、武装警察に射殺された。射殺された遺体の多くは山に放置されたままで、警察に包囲され、立ち入り禁止となっている。その後、警察は村民を見かけると即射殺し、9日現在の電話取材で確認されただけでも、すでに70人以上の村民が殺された。大半は20代の青年だという。武力鎮圧の直後の6日夜、当局は証拠隠滅を謀ろうとし、射殺現場を片付け、死体を火葬し始めた。一部の遺体は海に捨てられた模様。ある村民によると、今回の虐殺で約30箱の弾丸が使用されたと明かした。
《中略》
 公安当局は8日、電力工場の爆発を計画したと疑いで黄希譲氏や黄希俊氏、林漢如氏など3人の村民代表を指名手配し、虐殺の口実をねつ造した。一方、地元の汕尾テレビ局は、村民が先に警察に向けて銃を発射したと報じたが、村民らは「我々は銃なんか持っていない」と真っ向から反論。地元政府も死亡人数を過少に発表し、さらに死亡者はみな自爆したと虚偽の情報を流している。
 AFP通信は、汕尾市公安局や市の政府官僚に事実確認したが、事件を知らないと答えられ、一切のコメントを拒否された。
 8日午後に開かれた中国外交部定例記者会見で、記者から虐殺事件についての質問があったが、スポークスマンの秦剛氏は、具体的な状況が把握できていないと答え、「いかなる状況においても、中国は法治国家である」と強調した。
 電話取材中には通話が度々切断されたが、ラジオ自由アジア (RFA)によると、事件後、同ラジオ局に情報提供した村民代表の携帯と自宅電話がまったく通じなくなったという。
 汕尾市のある高官は9日、現地の村民に連絡を取り、「銃で射殺されたことを外部に洩らすな、いわれたとおりにすれば、市がお金を払う」と説得していたことが取材で明らかになった。


大紀元は反中共色のかなり強い報道機関なので、上の記事がどこまで正確かはわかりませんが、朝日新聞の報道のように、催涙弾で8人死亡というのも少し不可解ですし、仮に催涙弾であったとしても、至近距離からの水平発射が行われたのであれば、それは行き過ぎた鎮圧行為だったと言えるでしょう。