泣いて馬謖を斬れるか?

tyujhg2005-11-28

『西村真悟議員を逮捕 非弁護士に名義貸し容疑』(朝日新聞)

民主党西村真悟衆院議員(57)=比例近畿ブロック=の弁護士事務所を舞台にした弁護士法違反事件で、大阪地検特捜部と大阪府警は28日、西村議員が鈴木浩治容疑者(52)=同法違反容疑で逮捕=に自分の弁護士名義を使わせて43件の示談交渉を不正に受任させていた疑いが強まったとして、西村容疑者を弁護士法違反(非弁護士との提携禁止)容疑で逮捕し、政策秘書ら2人も共犯容疑で逮捕した。特捜部と府警は事件の全容解明に向け、西村議員が受領していたとされる「名義貸し料」の総額や使途などの特定を急ぐ。
 2人は、政策秘書の佐々木俊夫容疑者(47)=東京都港区=と、同議員事務所事務員の寺沢秀美容疑者(44)。
 調べに対し、西村議員は大筋で容疑を認めているという。特捜部と府警警備部は同日午前、大阪府堺市にある弁護士事務所や自宅などの家宅捜索に着手した。
 調べでは、西村議員らは98年5月〜04年5月、弁護士資格を持っていない鈴木容疑者が交通事故の示談交渉計43件を不正に受任した際、損害保険会社から保険金が振り込まれる口座名や示談関係書類などに、西村議員の弁護士名義を使わせた疑い。
 西村議員は鈴木容疑者に給与を支払っていないなど雇用関係はなかったが、同容疑者は「西村真悟法律事務所事務局長」と名乗り、この期間に計約190件の示談交渉を不正に受任していたという。
 特捜部のこれまでの調べによると、鈴木容疑者による無資格の弁護士活動(非弁活動)によって得られた保険金は、いったん大阪市中央区の銀行に開設された「預かり金口座弁護士西村真悟」名義の口座に入金。その後、鈴木容疑者らが引き出し、報酬分の1割を受け取って西村議員と折半していたという。
 西村議員が示談交渉の依頼人に会うことはほとんどなく、法律事務は鈴木容疑者に一任していたとされる。
 西村議員は「不祥事は私の管理のずさんさから起きた。その責任から逃れようとは思っていない」としたが、鈴木容疑者の非弁活動については一貫して「知らなかった」と否定。25日には大阪弁護士会に退会届を提出しようとして受理されなかったが、「議員としての責務を果たすことに専念したい」として議員辞職する考えがないことを強調していた。


右上の写真を見てもらうと分かるのですが、西村議員の左胸には、北朝鮮による拉致被害者の早期救出を願う「ブルーリボン」が今も付けられています。
西村議員は拉致議連幹事長を務めるとともに、拉致問題解決に取り組む真摯な姿勢で、拉致被害者の家族の皆さんからも厚い信頼を寄せられる存在でした。
今回の弁護士法違反容疑は、拉致問題とはまったく関わりのない問題であることは明らかなのですが、西村議員の拉致問題での貢献や存在感が大きかっただけに、今回の逮捕が拉致問題自体に少なからず影響を及ぼすのではないかと思います。
しかも、今後弁護士法違反容疑に絡んで、西村議員の姿がマスコミで大きく報道されることが予想されますが、その時に、西村議員の胸にブルーリボンが付けられていることが、拉致問題と弁護士法違反事件がまったくの無関係であり、西村議員の拉致問題に取り組む姿勢や思いにまったくやましいところがなかったとしても、拉致問題にもマイナス・イメージを与えてしまう可能性は拭い去れません。
その可能性は、ネットなどを通じて拉致問題に関する多くの知識を持つ人々よりも、テレビや新聞などのマスメディアを通してのみ拉致問題を知っている人々の方に、より高いのではないかとも思います。
私自身、西村議員のこれまでの拉致問題に対する取り組みと、これからの拉致問題に関する行動や発言について、まったく疑義を持つものではありませんし、そのことを問題にしようと思っているわけでもありません。
しかしながら、違法行為を行ったとの容疑を掛けられているうえに、その責任を引き受けるつもりであるなら、西村議員は犯罪者であることを認めているわけで、あえてキツイ言い方をすれば、犯罪者が拉致問題解決という運動に表立って関わることは、拉致問題全体に対して大きなダメージを与えることになるのではないでしょうか。
そして、、今回の弁護士法違反容疑そのものには、一部では陰謀論めいた噂も目にしますが、根拠のない陰謀論を振り回すことで被るマイナスイメージを考えると、そのような噂も確固とした証拠がない限り軽々に口に出すべきではないとも思います。
私のような門外漢が、口を挟む資格がないのは重々承知していますが、門外漢であるからこそ、客観的な意見を述べられるとも思います。
泣いて馬謖を斬る」という言葉が有りますが、拉致問題に関わる人々は、今後、西村議員と距離を置く方が良いと思いますし、それ以前に、西村議員が自主的に拉致問題の第一線から身を引くべきだとも思います。
「日本の右翼勢力が拉致問題を過剰に宣伝して、北朝鮮を不当に貶める活動を繰り広げている!」というのが、北朝鮮サイドの主張であり、その主張に今回の事件が補強材料として利用される懸念がある以上、止むを得ないことだと思います。